醸造所 | Duvel Moortgat |
---|---|
所在地 | Breendonkdorp 58, 2870 Puurs-Sint-Amands, Belgium |
サイト | http://duvel.jp/ |
1871年 設立
1871年、ステーンフッフェル(Steenhuffel)村の醸造家家族の息子であったヤン-レオナルド・モルトガット(Jan-Leonard Moortgat)が、妻のマリア・デ・ブロック(Maria De Block)と共にモルトガット醸造所を設立しました。
20世紀への変革期であった当時のベルギーで、新しく生まれたこの醸造所は4,000ほどもある醸造所のひとつにすぎませんでした。スタートは決して順調ではなく、ヤン-レオナルドは初期の何年間かは、色々な上面発酵ビールの販売を試みたり、先駆者としての仕事をしたりしました。それが成功への道だったのです。
忍耐力、醸造家としての情熱、そして職人気質などが功を奏し、次第に彼の造るビールを贔屓にしてくれる客が増えていきました。ブリュッセルの中流階級の人達は彼のビールを気に入り、彼はラーケン(Laken)に貯蔵所を持つようになったのです。その後130年以上続くサクセスストーリーは、こうして始まりました。
悪魔の誕生
その後、ヤン-レオナルドの2人の息子、アルベール(Albert)とビクトール(Victor)が事業に参加しました。アルベールは醸造に、ビクトールはブリュッセルへの馬や荷車による配送に携わりました。
この時期にはイギリスのエールが人気を博しており、第一次世界大戦(1914~1918)の影響もあってベルギーにもやってきていました。アルベールは、イギリスエールに倣ってイギリス風ビールを造り、ベルギーでのイギリスエール成功の一端を担おうと決めました。それには現地の酵母見本が必要不可欠です。アルベールは北海を渡る長い旅の末、ようやく待望の酵母見本を手に入れました。まさにこの株から培養された酵母が今日でも使われているのです。
当初このビールは1918年の第一次世界大戦終結を記念して「ヴィクトリー・エール」と命名されましたが、その後、ヴァン・デ・ワウワー(Van De Wouwer)という近所の靴屋が試飲した際に「このビールはまさに悪魔だ!」と表現したことでその歴史を変えたのです。1923年からは「デュベル」(Duvel、この地方の方言で悪魔を意味する)というブランド名で販売されることになりました。その年の生産量は木箱(クレート容器)でわずか数箱分という少量でのスタートでしたが、1970年代初めには大ブレークしました。そしてこの旗艦ブランドの成功をたたえ、会社名を「モルトガット」から「デュベル・モルトガット」(Duvel Moortgat)に変更しました。
世界の「デュベル・モルトガット」へ
会社の成長を促進し、事業の継続を確実にするためブリュッセル証券取引所に上場しました。また2001年には、厳正な製品安全規格が運用されていることを証明するHACCP認証を受けたベルギーで最初の醸造所となりました。
その後も、モルトガット家は、完璧な品質を常に保証できるように醸造所への投資を続けています。そんな努力のおかげもあり、デュベルは瓶内発酵させた“特別な”ビールの指標として世界で認められています。
デュベル・モルトガットは、近隣諸国(オランダ、フランス、イギリスなど)での地位を大幅に強化し、輸出事業でも大きな進歩を遂げ、今では60ヵ国以上へ出荷しています。 また、150年に亘る専門知識と業績拡大の成功を踏まえ、世界中のさまざまな醸造所の50%以上の株式を取得し、ファミリー会社として卓越した品質と価値を表す醸造所やオフィスとのネットワークを確保しています。