醸造所Brasserie Trappistes Rochefort
所在地Abbaye Notre-Dame de Saint-Remy 0, 5580 Rochefort, Belgium
サイトhttp://www.trappistes-rochefort.com/

ロシュフォール修道院

1230年、ジル・デ・ワルクール(Gilles de Walcourt)がサン・レミ(Saint-Remy)の彼の所有地をいくつかあった敬虔な女性信者共同体のひとつに贈りました。こういった女性信者共同体はリエージュ(Liège)のプリンス司教管区でその当時つくられていたものです。創設された修道院は「セクール・ノートル・ダム」(Secours Notre-Dame)と呼ばれていましたが、今日では当時の修道院の建物跡はまったく残っていません。

この女性共同体は1098年に始まったシトー修道会(Cistercian Order)に付属していて、2世紀以上もの間同じ場所で共同生活を続けていました。しかし修道院での精神面の敬虔な生き方が次第に衰退していったことから、シトー修道会は1464年に女子修道会をフェリプレ(Felipre)の村に移し、入れ替わりにこの村の男子修道会をセクール・ノートル・ダムに移すことにしました。この時から「サン・レミ」という元の名が再び使われるようになりました。

新しい修道士達は急速に修道院をよみがえらせてその視野と活動の場を拡げてゆき、また新しい土地を得て鉱山の開発を始めたり、大理石製造場を開くなどなどしました。しかし修道院は16世紀に起きた宗教戦争の犠牲となり、1568年にカルバン派(Calvinists)によって破壊されました。更に17世紀にも、1651年と1652年の二度にわたって破壊され、1653年にはコンデ公(Prince of Conde)によって占拠されてしまいました。その間修道士達はマルシュ・アン・ファメン(Marche-en-Famenne)にあった別の場所に避難したのでした。

ウェストマール修道院

でも修道士達は、不運の連続にもくじけることなく元の場所に戻り、1664年に彼らの修道院を再建しました。今日もロシュフォールの大切な言辞となっているフィリプ・ファブリ修道院長(Philippe Fabry)の「curvata resurgo」(曲がっても、私がそれを真っ直ぐにする)の言葉はこの時期にさかのぼります。この言辞は修道院の棟飾りに組み込まれ、今も修道院前の建物の主壁に彫り込まれているのが見えます。主要な建物ができた後、修道院は徐々にまた建築され、教会や修道院長用の住居、保管部屋、迎賓館等のいくつかの新しい所も含めて完成しました。

18世紀末頃の荒れ狂ったような政治情勢は、再び修道院とその住人への悪運の 到来を意味するものでした。フランス革命(1789)はロシュフォールの宗教的共同体の存在に事実上終わりを告げ、その後の何年間を通じて修道院の教会などの建物は破壊された挙句にロシュフォールの村で家々を建てる材料に使われてしまいました。

1887年に、ヴィクトル・セニ修道院長 (Abbot Victor Seny) がロシュフォールでの宗教共同体を据えなおすために修道院を買い戻すまで、その所有者は3度以上も変わっていました。

アヘルのトラピスト修道院が、ロシュフォールでシトー修道会の再興をはかることを引き受け、次の数年に亘って新しい教会堂や修道院の建物が建築されました。早いペースで新たな修道士を募り、1931年までに80人以上を数える結果となりました。以前の修道院の鉱業や大理石製品生産などの活動が大きく損なわれたので、修道院は最初のうちは、ほとんどを農業で支えてきました。

修道士ははるばる1595年にまで遡って修道院内で小さな醸造所を操業したりしました。生産量は、彼ら自身の需要を満たすには十分でしたし、第二次世界大戦まで生産は極めて限られたものでした。1945年以後、修道院の活動は伝統的な農業活動に取って代わって、次第にビール醸造に移っていきました。

1952年に醸造所は完全に近代化され、品質の高い上面発酵ビールの生産ができるようになり、修道士は醸造所では一般人の献身的なチームに助けられていました。彼らの修道院生活に従って、外部市場の需要に応じてではなく修道院の必要に応じた年間の醸造生産数量を決めています。この方針が今も依然としてロシュフォール・ビールを、極めて他に類をみない品質を持つ、生産量の限られたビールにしているのです。

そもそも「トラピスト」って何

デュベル・モルトガット醸造所

現在、正真正銘の「トラピスト・ビール」は世界で12ヵ所。そのうち、ベルギーには6ヵ所あります。これらのトラピスト会の厳格な規則に従っている修道院で作られる製品だけが「トラピスト」の看板を掲げることができ、共通の「トラピスト」マークが付けられています。

トラピスト・ビールの特徴は、
1. 修道院敷地内で醸造されている
2. ビール醸造についての権限は修道士達にある。
(ただし、従業員は修道士ばかりとは限らない)
3. ビール販売に於ける収益は修道院の運営管理に使われ、余剰利益は地域社会の慈善事業等に使われる。毎年様々な慈善事業からの申し出がある。

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